自作キーボードから始まったものづくりへの取り組み
明けましておめでとうございます。新年もよろしくお願いします。
本記事が新年最初の記事になるが、新年最初の記事ということで、昨年1年間を振り返って今年の簡単な抱負を書いてみようと思います。
昨年1年間の大きな変化
仕事は変わらなかったので大きな変化はありませんが、私生活では意外な変化がありました。といっても、結婚とかそういう話ではなく、趣味というか、新たな世界が広がったという話です。
こう書くと大仰な話に聞こえますが、簡単に言えば「物を作る」とことの面白さを知ったということです。
以下、そういう変化に至った経緯を簡単に書いていきます。
経緯
「物を作る」ことの面白さを知ったきっかけは、自作キーボードを作ったことです。では、なぜ自作キーボードを作ったのかというと、始まりは Amazon で以下のキーボードを買ったことです。
Amazon | HAVIT | havit | パソコン用キーボード 通販
このキーボードが「メカニカルキーボード」という分類に属すると知り、それではメカニカルキーボードとはなんぞやと調べていたところ、自作キーボードのキットが販売されているのを発見し、面白そうだと思って2019年1月にキットを買ったのが自作キーボードの始まりです。
Mint60スターターセット – ゆかりキーボードファクトリー
この Mint60 に限らず、大部分の自作キーボードは QMK Firmware というファームウェアを使用しており、ファームウェアを書き換えてキーマップに自由に変えられるのが自作キーボードの非常に大きなメリットです。そのメリットを享受すべく色々模索していましたが、その過程で、「親指キーが多い方が便利じゃない?」と思うようになり、新しいキットを購入しました。
このキーボードは親指キーが豊富で、ホームポジションから手をほとんど動かさずに大抵の入力が可能です。これ以降も以下のキーボードを組み立てていますが、テンキーを除いたキーボードのキーマップは、この ErgoDash で作ったキーマップがベースになっています。
Attack25 自作キーボードキット - 25KEYS - BOOTH
とまあ、こうやって自作キーボードの沼に入っていったのですが、そうこうしているうちに東京メイカーフェア2019が開催され、自作キーボードのコミュニティである「Self-Made Keyboards in Japan」の方々も出展すると聞いたので、休みを取って足を運びました。
メイカーフェアに参加したのは初めてでしたが、Google とか LINE のハイレベルな展示物もさることながら、個人でロボットアームを作ったり、R2-D2が動いていたり、挙げ句の果てには個人制作の加速器まであったりと、ものづくりの奥行きと凄さを肌で感じることができたのは大きな収穫でした。
そうやってものづくりに触れた後、新たなキーボードを作るだけではなく、作成済みのキーボードをカスタマイズしてみようと思い、Illustrator でケースを設計して HANDS Fab でレーザーカットしてもらうことを始めました。しかし、切断しかできないレーザーカッターでは複雑な形状を作るのに限度があると気づき、代わりに3Dプリンタを購入しました。
そして3Dプリンタを使い始めましたが、間に合わせのデスクでは水平が出ない、水平を出すべく脚に物を挟んで調整すると振動が大きくなって品質が悪化する、仕方がないので床に置いて印刷すると不便で邪魔になる、とにっちもさっちもいかなくなったので、SUS社のアルミフレームを発注して専用の印刷台を作成するに至りました。
また、3Dプリンタを買う前には、雑多な物をまとめて置いておける背高の棚(木製)も自作しました。小ぶりな棚は以前から作っていましたが、部屋に合わせて作ると引越しで間取りが変わると使いにくくなるし、そもそも全く塗装していない白木では高級感も何もあったものではないので、その都度バラして粗大ゴミになっていました。その反省を踏まえて、どの部屋でも使えるような設計にするとともに、しっかりワックスを塗り込んで高級感を出し、引越しても使う気になる家具に仕上げてみました。
さらに、Raspberry pi を使ったスマートリモコンを作ってみるため、プリント基板CADを使って設計した基板の製造を中国の業者に発注することまで行いました。
こうしてみると、自作キーボードから始まって色々な物を作ってきた1年間でしたが、1年前には自分がこうして何かを作っている姿は全く想像していませんでした。
なにも広い部屋に引っ越して工作機械が置けるようになった訳ではないし、自分で作らないと生活に支障が出るから作っている訳ではないです。ただ、キーボードが自作できることを知り、そして、個人でも色々なものが作れるということを知ることで、何かを作るということに対する心理的なハードルが大きく下がったと実感しています。そして、物を作るのは苦労も多いですが、制作過程では「大変だけど楽しい」というある意味矛盾した感覚が得られるので、まだまだ色々なモノづくりに挑戦してみようと思っています。
一寸先は闇なのが現実世界ですが、面白いと思ったことに挑戦していけば色々なものが得られるという当たり前の事実が分かった以上、うだうだ考えるよりとにかく動いてみることを信条にしてこの1年間を過ごしてみたいと思います。そうすれば、来年の今頃に新たな記事も書けるようになっている(と思います)。